ライオン丸の話
今から40年以上前に、その人はいました。
近隣の中学生たちから「ライオン丸」とあだ名で呼ばれていました。
もしかしたら以前、ブログかホームページに書いたかもしれません。
彼は、今で言う「ニート」だったのだろうと思います。髪の毛は日本人には珍しい縮れ毛で、長く伸ばすのでライオンの立髪のようでした。それでライオン丸。
下校時間によく自転車に乗っているライオン丸に出くわしました。
私が中学生の頃は、ライオン丸も若くて、20代くらいだったと思います。
元気に自転車を転がして、町中を走っていました。
子供達は、日中に仕事もしない怪しいライオン丸を何となく怖がっていて、ライオン丸が近づいてくると、「ライオン丸が来た」と用心していました。
その後、私は遠方の高校大学に地下鉄で通うようになり、就職・結婚・子育てでライオン丸のことはすっかり忘れていたのですが、記憶が曖昧ですが今から15年くらい前に、久しぶりに見かけたのです。
その姿は、若い頃のライオン丸とは全く違って落ちぶれており、服は汚れてボロボロ、履き物は左右で違う靴でボロボロ、まるで生き方を知らないままホームレスになったかのようでした。
自分から福祉に相談に行って事なきを得られたら良いと思っていたのに、月日が経つごとに落ちぶれていき、最後に見たときはもう、穴の開いたスニーカーとボロボロの草履を片足ずつ履いているような状態でした。ライオン丸の髪の毛は白髪混じりで、顔は日焼けなのか汚れているのか真っ黒で、若い日の面影はありませんでした。
今思えば、ライオン丸を養っていた親が、何らかの原因でいなくなったのだと思います。
家に、自称クリエイターで未だ売れていない息子がいる私にとっては、いつか私が死んだ後にそのように落ちぶれはしないかと、心配になるのです。
あのあと、ライオン丸が、どうか、誰かに助けられて、普通の暮らしができる人になってくれていますように。






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