嵐の小舟
私の心は、長い間「嵐の小舟」の状態でした。
年齢が上がるにつれて、だんだんと落ち着いていきましたが、若い頃は大変でした。
その原因をお話しします。
中学3年の頃に、父が母子家庭に深入りして不倫となり、私たちの家庭はぐちゃぐちゃになりました。
母は自分の心を守るために家を出てしまうし、残されたのは、祖母と妹と私だけなのに、その中で、ある時期ギスギスしたり。
とても人間不信になってしまいました。
それで、人の言動にいちいち振り回されて、腹が立ったり悲しくなったり。
まるで嵐の夜に漕ぎ出してしまった小舟のような心境でした。
まだ子供なのに、守ってくれる大人が家を出て行ってしまい、祖母だけが細々と守ってくれていました。
私の穏やかな入江は一晩のうちに破壊されて、波の高い外海に放り出された気分でした。
信頼していた両親から裏切られたという心の傷は、私に生き辛さをもたらして、「自分は不完全な人間だ」と思ったり、「完璧な家庭の子ではないから良い縁談も無いだろう」とか、「人から見た幸せ」にこだわったりしました。
心がそういう状態だと体にも影響が出て、元気な青春時代というものが、普通の人に比べてあまりなかったような気がします。
そんな時代を二回りくらい通り過ぎて、中年に差し掛かって大好きな猫に尽くして生きていくようになってから、あまり人の目を気にしなくなり、だんだんと心が揺れることが少なくなり、今となっては、ほぼ揺れなくなりました。
長かったなぁ、もう。
今となっては、良い経験をさせてもらったと思います。
父のことも許せるし、母のことも許せるし、祖母には感謝しかないし。
今は犬猫に助けられて、正直に真心込めて生きるということをさせてもらえて、嵐の小舟が陸地に辿り着き、自分の足で大地を踏み締めることができたかなと思います。
それもダンナがいてくれてるからで、こぶつきの私を拾ってくれて、ホンマにありがとうです。
どんなに悲しくても苦しくても、諦めずに光に向かって生きていたら、良いことがあるんだと思いますし、今現在、苦しんでいる人の励みになればと思ってこの文章を書きました。






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