野良猫のルパ様
ルパ様は、11年前に今の家に引っ越しをして来た時から、たまに近所で見かける野良猫でした。
きっとどこかの誰かにご飯をもらえていたようで、当時はふっくらとしてうつくしい毛並みのオス猫でした。
5年くらい前に、急に痩せて、ふらふらと歩いているのを見かけて心配したり、また元気になっているのを見かけて安心したり、会えば挨拶をする仲になっていました。でも触らせてはもらえませんでした。
ご飯をくれる人が3人くらいいたから、私はご飯をあげることもなく、ただの挨拶する間柄でした。家の前に新鮮な水だけは置くようにして、ルパ様の喉が乾かないようにしていました。
2年くらい前に、また衰弱してきて心配になっていた頃、近所の家に、飼い主が亡くなって引き取られてきた柴犬のチビちゃんがやってきました。
そのチビちゃんが、なぜかルパ様を気に入り、自分の箱の中に招き入れて、一緒に寝たり舐めてあげたりするものだから、チビちゃんの保護主さんも、仕方なくルパ様の世話をするようになり、いつの間にかルパ様専用のベッドまで用意してもらって、野良猫から半野良に昇格したルパ様でした。

3日前に、チビちゃんのお母さんから、ルパ様がご飯を食べていないことを打ち明けられて、箱の中のルパ様をみたところ、極度に脱水をしていたのです。
応急的に皮下点滴をしてあげて、「明日、動物病院に行った方がいいですね。」と言い残して帰りました。
ここ2週間ほど、ルパ様が具合が悪そうなのに、私の家の前や、ご飯をくれる人の前に佇んでいるのを見ていたのですが、「あれはお別れの挨拶に来ていたのかな?」と、思えました。
2日前に、犬の散歩でルパ様の家に立ち寄った時、ルパ様がのっそりとベッドから出て来て、オシッコをしました。まるで、わざと見せるようでした。今までそんな姿を見せたことはなかったのに。
「ルパ様、ありがとうと言ってくれているんだな。」と、私はそう感じました。「男の子らしく義理堅い猫だったんだな、もっと深く関わってあげたらよかった。」少し後悔しました。
私のような、ちょっと声をかけるくらいの顔見知りに、そんなに感謝してくれるなんて、ルパ様、寂しかったのかなぁ。
これから会えないと思うと、私も寂しいです。
ちなみに、ルパ様の名前の由来は、うちにいる「ルルちゃんのパパ」の可能性大な体つきと柄だったからです。
チビちゃんのお母さんは、「鼻グロちゃん」と呼んでいたし、多分、知り合いの数だけ名前があったのかもしれません。
ルパ様、猫の義理堅さを教えてくれてありがとう。私も見習います。
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