傘職人のおじいちゃん
近所のシャッター付きガレージで、傘を売っているおじいちゃんがいます。
そこは、自分の軽自動車用なのですが、空いている隙間に自分が作った傘を売っているのです。
15年くらい前に一度傘を買いました。その時に色々と聞いたのですが、おじいちゃんは、傘職人で、デパートで売っているようなブランド物の高級傘を作っていたとのことでした。
ビニール傘や、中国製の傘が、おじいちゃんの傘に取って代わって、デパートからも声がかからなくなり、傘職人をやめてしまったそうです。
それでも傘を作るのが好きだし、端切れや傘の骨が残っていたので、趣味で作り続けて、こうして売っているとのことでした。
おじいちゃんの傘は、もろに「昔の日本製」という感じです。
布が足りなかったら、別の布をパッチワークみたいにして継ぎ足して、柄が合うように工夫してあります。
継ぎ足して縫ったところもほつれたりしないんです。
傘の骨がすぐに折れるということもなく、とても使いやすいのです。
「傘が壊れたら、持っておいでやー、直したるさかいに。」と、言ってくれます。
使えるパーツはリサイクルしているみたいで、捨てる傘もシャッターの前に置いといてと言っていました。
シャッター付きガレージの向かい側に市民農園があって、お客さんはほとんど誰も来ないので、いつも農園の柵のところで中の人と雑談をしたりしています。
先日、15年前に買った傘もだいぶ年季が入ってきたので、新しいものを買ってきました。
もう少し、15年前の傘を使おうと思っていたのに、隣の家に置き忘れたのを、姪っ子がどこかに持って行ったまま返してくれないので、予備でもう一つ買っておこうかと思っています。
最後の本物の日本製の傘的な、記念品として。一本500円です。


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