猫を触ると自分を感じる
子供の頃、猫を触る時、精神を集中して全神経を手のひらに集めるようにして感じていた。
猫を見る時、小さな柄も見落とさないように記憶にとどめようとしていた。
猫の柄は、携帯のカメラが記憶するようになって、すっかり自分の頭で覚えなくなってしまった。
けれど、手触りは、自分以外に感覚を代用できるシステムがないので、結局、撫でることはやめなくて済んでいる。
猫の存在は、私にとっては、この現実世界と自分を結びつける糸のようなものだと思う。
猫の手触り、息遣い、体の匂い、ゴロゴロいう音、ニャーと鳴く声。
これらが、ともすれば宇宙の彼方に彷徨ってしまいそうになる私の魂を、地球の上に繋ぎ止めてくれている気がする。
私も年を取ってきたから、若い猫はもう家に入れることができなくなっている。
いつか、猫が家からいなくなる日が来るのだと思う。
その時、私は何を頼りにこの世界と繋がれるのだろうか?と少し心配になっている今日この頃です。
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