プラちゃんは、生まれたときから災難続きの仔猫だったようです。
今、生後三ヶ月くらいですが、野良猫が生まれた仔猫を口にくわえて、元飼い主宅へ運んできたのが始まりだったようです。
生後一ヶ月の頃に高熱を出したのか、ぐったりとしているとのことで、治療に来院されていました。
元飼い主さんは、野良猫が運んできた仔猫だし、仕方なしに飼っていて、大きくなったらまた野良猫になってもらおうと思っていたようでした。
高熱の後、プラちゃんは歩くときにふらつくようになり、どうも耳も聞こえていない様子だったようです。
高熱が下がって、やっと少し大きくなったかと思ったら、今度は、外から入ってきたオスの野良猫に、顔をガブリと噛まれて、顎の形が変になってしまいました。下の犬歯が前に飛び出してしまったのでした。
その怪我も治って、高栄養の缶詰を自分からパクパク食べられるようになったと喜んでいた矢先、今度は四階にあった元飼い主さん宅のベランダから落ちてしまいました。下半身が麻痺して、まったく動けなくなってしまいました。オシッコもウンチも出せなくなりました。
元飼い主さんは、もう我慢が出来なくなって、「先生!安楽死をしてやってください。」とお願いに来ました。
ダンナは、それまでも何度も安楽死を打診されたけれども、断って何とか治療をしていたし、里親探しを私に頼んで何とか引き延ばしてきたけれど、今度こそは万事休すの状態だったようです。
お昼過ぎに、動物病院のドアをノックする音がしますので、明けてみると、仔猫を連れた元飼い主さんでした。
ダンナが私に小声で、「あのさあ、この前里親探し頼んだ仔猫なあ、ベランダから落ちて、下半身不随になってしもて、今から安楽死せなアカンねん・・・」と言いました。
私は、そんな場面は見たくないので、「あ、そう。」と言って逃げていこうとしたら、ダンナが私の服を引っ張っています。
「ちょっと見てきてあげて。」
「それって、どういう意味?私、見たら引き取ってしまうやん。」
「ええからええから。」みたいなやりとりがあって、もう仕方なく覚悟を決めて見に行きました。
きょとんと私を見つめるつぶらな瞳。「ボクは生きたいねん。」と言っているかのような光をたたえて、上半身を前足で支えていました。
(やられた~)
仕方なく、私が家に連れて帰ることにしました。
家に連れて帰ってから、リコネクティブヒーリングもどきを施し、試行錯誤をしながら、足の筋肉が固まってしまわないように、毎日足を伸ばしたり縮めたり、リハビリをしました。
「リコネクティブヒーリングもどきをしたから、エネルギー体レベルでは元通りになっているはずだし、後はリハビリだけだ!」とかいいながら。
はじめ、リングの貞子のようにしか動けなかったプラちゃんは、一週間ごとに足が動くようになっていき、なんと、今ではふらつきながらも歩けるようになりました。
猫トイレでウンチも出来るようになりました。あとはオシッコだけなのですが、それは私が時間を決めて仔猫にするみたいに刺激をしたら出ています。
最初の、カテーテルで導尿をしないといけなくて、ウンチまみれでのたうち回っていたプラちゃんとは別猫のようになりました。
プラちゃんのいる和室から鈴の音が聞こえてくるので、何かなと思っていたら、以前に黒猫のボンちゃんがテレビの下に入れて出せなくなっていた鈴のおもちゃをプラちゃんが取り出していて、部屋の中で暴れ回っていたりします。
プラちゃんのあだ名は「妖怪鈴ならし」ということに決まりました。
私は、ひょっとして、猫様にヒーリングができるようになったのかしらと、少し喜んでいます。
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