御霊水の夢
これも20年近く前の話。
私がまだ嫁に行って間もない頃、元夫のお母さんは、ある霊能者のところにお参りに行っていました。
たぶん、御霊水と呼んでいたと思うのですが、自宅の床の間に、水の入った日本酒の瓶を置いておいてから、お参りに行った時にその霊能者が念を込めると、病が治る御霊水に変わるということでした。
その日も、元夫のお母さんは、床の間にビンを置くようにとお手伝いさんに指示をして、霊能者の元へ赴きました。
ちょうどその頃、私は自分の部屋で昼寝をしていました。
運の悪いことに、また北枕で寝ていたのです。私は北枕で寝ると、やたらと霊感が冴えてしまうタイプでした。
うたた寝の最中に夢を見ました。
お風呂屋さんのようにたくさん靴を入れるフタ付きの小さなロッカーがある広い玄関がありました。玄関の上がりかまちは畳でした。
「変わった玄関やな~」と思っていると、一見、普通のおばさん風の小太りの女性が、巫女さんのような格好をしてその玄関にやってきました。お供のおばあさんがいて、そのおばあさんは、金茶色の着物を着ていて、髪は真っ白で丸髷を結っていました。
けれど、その玄関で、あちこち探すような感じでウロウロしたあと、何もせずに帰ってしまいました。
そこで目が覚めました。
その後、元夫のお母さんが帰宅し、「霊能者が、あんたとこのビンに、どうしても念が入らんから、よく調べて、もう一回出直しておいで」と言われたと言ってぼやいていました。そして、ビンをよく調べてみると、ビンに、きっちりとフタがしてあったそうです。
瓶にフタをしてはいけないことになっていたらしく、それを知らないお手伝いさんが、フタをして置いておいたので、こういう事になったということでした。
私が、夢の話をいうと、「どんな人だった?」と聞かれました。それで、夢で見たとおりのことを言うと、おかあさんは黙ってしまいました。
それっきり、忘れていたのですが、その後、自分の祖母を事故でなくし、意気消沈していた私は、藁にもすがる思いで、一度その霊能者の所へ行ってみたのです。
すると、玄関の上がりかまちは畳で、靴箱がお風呂屋さんの下駄箱のように並んでいて、夢で見たのとそっくりだったのです。
そして、霊能者の方も、夢で見たとおりの、一見普通のおばさん風の方でした。
その方は、私に、「悪い因縁が断ち切れるように、お祈りいたします。」と言いました。それだけでした。
その時は、拍子抜けしてしまいましたが、今では、その意味がよく分かります。因縁を断ち切るのは私自身であって、霊能者ではないのですから。そのように言葉を添えてもらって、なんとなく、人を当てにしたらダメなんだと思い、ここまで生きてきたように思います。
蛇足ですが、夢の中で、霊能者に付き添っていたおばあさんは、その後、また別の夢に登場し、私のお腹の中の赤ちゃんは、男の子であると宣言しました。もう一人、お腹が大きかった親戚の女性には、女の子であると宣言しました。
その後、一日違いで誕生した子供たちは、ズバリ、私が生んだのが男で、親戚が生んだのが女でした。
もうひとつ蛇足ですが、私の母方の曾祖母は、失せものや、お腹の中の赤ちゃんを当てるということで、家の前に人の列が出来ていたということです。それもボランティアで。その人なのかしらん?


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