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2016/02/19

マルチーズのパーシーの話

これは知り合いから聞いた話。

昔、知り合いの知り合いで、雄のマルチーズを飼っている人がいたそうです。
その人は、そのマルチーズが可愛くないと言っていて、マルチーズは毛刈りもしてもらっていなくて、毛がもつれてボロボロだったそうです。

散歩も、自転車で引っ張って走らせるという感じだったそうです。
気に入らないと、足で蹴ったりすると言う話を聞いて、可哀想でたまらなくなり、夫婦で相談して、そのマルチーズをもらい受ける事にしたそうです。

マルチーズの名前はパーシーでした。

知り合いの家に来た時は、すでに三才くらいだということでした。

毛をきれいにしてあげて、散歩に連れて行きますと、引っ張る事もしなくて、とても従順で賢い子だったそうです。
「ここでトイレをしなさいよ。」と言うと、そこでしゃがんでするような子だったそうです。

そんなパーシーと21年も暮らしていたそうです。
いつも奥さんはパーシーと一緒で、寝る時も抱いて寝ていたそうです。

ある朝、夢見心地でパーシーを抱いて目が覚めた時、パーシーだと思って抱いていたのは、なんと半野良の猫さんで、パーシーがいなくなっていたそうです。

慌てて起きて、近所に聞いて回ると、「さっき一人で歩いて行ったよ、散歩かと思った。」という目撃者がいたそうです。猫の出入り口から出て行ったらしいのです。

抱いて寝ていた猫さんは、それまで一度も布団に入ってきた事がなかったのに、パーシーとすり替わって入っていたそうです。

保健所に届けて、近所中に聞いて回ったけれどもパーシーは見つかりませんでした。
誰かに保護されて、飼われたのかもしれないし、死にに行ったのかもしれない。とにかく忽然と消えてしまったそうです。

年齢にすると、すでに24才になっていたはずだそうです。

少し胸が痛くなり、少し不思議な気持ちになる話です。

私は、その話を聞いて、パーシーが半野良の猫さんに頼んで、布団に入ってもらったのかもしれないという気がしました。
「自分の死ぬところを見せて、奥さんを悲しませたくないから、おまえさん、ちょっとここへ入って身代わりになってくれないかね。」と。

いつか、奥さんが人生を終わる時には、きっと迎えに来てくれそうな、「マルチーズのパーシー」の話でした。

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