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2014/10/07

ソン君の思い出

私が中3、妹が中1の時の話。

妹のクラスにソン君という男の子がいました。
お父さんの仕事の都合で韓国から日本に来ていて、日本の中学校に入学してきたそうです。
途中から日本に来ているから、少し日本語のイントネーションが違ったのか、ソン君はクラスの男子からいじめられることもあったようです。
そんな時、体が大きくて正義感の強かった妹が、ソン君を庇ったりして、2人の友情ができていたんだと思います。
しばらくするとお父さんが韓国へ戻ることになって、ソン君は家族と共に韓国へ帰って行きました。
妹と何度か手紙のやりとりがあったのかどうか、記憶が定かではありませんが、ある日急に「ソン君がロードショーとスクリーンという雑誌を送ってほしいってゆうてる。」と妹が言い出し、2人で本屋に行って買ってきました。
本代が高くて、お小遣いがほとんどなくなりました。
それを送るために、なぜだか住之江郵便局まで行かないといけないことになって、私と妹はバスに乗って日曜日に住之江郵便局へ向かいました。
切手代は安いと思っていたのに、航空便で送るとなると小遣いの残りが不足で、船便だと安いと言われて、仕方なく船便で送りました。
帰りのバス代が無くなってしまったので、これまた仕方なく住之江公園あたりから長居まで歩いて帰ることになりました。
どれくらい歩いたか覚えていませんが、夕方家にたどり着いた時には足が棒みたいになっていました。
その後しばらくして、韓国から日本のこけしに似た人形が送られて来ました。
民族衣装の花嫁と花婿の人形でした。
中に手紙が添えられていて、ソン君が帰国後に韓国の受験戦争で疲れて風邪をこじらせ入院していたこと、本を楽しみに待っていたこと、そして亡くなってしまったことが感謝とともに書かれてあったようです。
もしかしたら、船便だったので、生きている間に届かなかったのかもしれません。
私の記憶は当事者の妹よりは曖昧なので、本を読むことができたのかどうか、はっきりしません。
読めてたらいいのになあ。
このことを思い出して今更ながらに思うのは、自分たちの親は何をしていたんだろうなと思うのです。
私たちは親に相談せずに、住之江郵便局に行ったりしたのだろうか?
少しくらい余分にお金を持って行かせるような機転のきいたことをしてくれたらよかったのに。
車も持ってたのに住之江公園まで迎えに来てくれたらよかったのに、などなど。
時々、思い出しては、親の不行き届きも思い出してしまうのでした。

あの、韓国のこけし人形は、今も妹の家にあるのだろうか?
韓流ドラマをみるたびに、ソン君のことを思い出すのでした。

しかし、中3の私は勉強しないで何をやっていたんでしょうか?
今となっては懐かしい思い出の一つです。

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