« ハナちゃんとロコタン | トップページ | エライことになってきてませんか? »

2007/06/27

母のトラウマ

私の兄は、もうすぐ5才になるという年頃に、交通事故で亡くなっています。

とても妹思いの兄で、幼稚園から帰ると、鞄を放り出して、生まれて間もなかった私を抱っこして放さなかったそうです。

この前、母が私の家に遊びに来たときに、兄の死に関するトラウマを私に語り、泣き出してしまいました。兄の死は、自分のせいかもしれないと、ずっと心の痛みを抱えて生きてきたようでした。

兄は、ダンプカーにはねられましたが、なぜそんなことになったかというと、近所の少し年上の男の子に、道ばたに積んであった材木の上から、ダンプカーが来るギリギリのところに飛び出して、逃げて帰れるかどうか、焚きつけられたというのでした。

まだ幼稚園だった兄は、材木の上から飛び出して、逃げ遅れて死んだのです。

近所の子は、兄をずっといじめていました。

いつも泣いて帰る兄を可哀想に思い、まだ26才の若かった母は、兄のためを思って、その子の家に行き、その子のお母さんに、兄をいじめないように申し入れました。

すると、その子のお母さんは、突然履いていたつっかけを手に持ち、その子の頭を思いっきり叩いたのだそうです。

その子は泣きました。母は、その子が日常的に親からそういう仕打ちを受けていることを初めて知りました。

そのあとから、いじめは陰湿化していったと母は言います。

それで、危ないことをそそのかしてさせたりしたのだろうと、母は言うのです。自分があの時、苦情を言いに行かなかったら、兄の命を危険にさらすことは無かったろうにと、泣くのです。

母は、今でも、その子のことを憎んでいます。「私の息子を殺しておいて、のうのうと生きているなんて。」と言って泣くのです。

その子は、兄の事故から五年ほど経った頃、その子の母親とともに、私の家に遊びに来ました。兄の仏壇にお参りして、私や妹と遊んでくれました。

母は仕事に行っていていませんでした。母は、その子たちを家に入れた祖母のことも怒っていました。

私が会ったその子は、もう六年生になっていて、私たちに折り紙を教えてくれました。その時は優しい子になっていました。

でも、母の心は、兄が死んだときから凍ったままのようなのです。

そのことを、ゆうべ、寝る前に思い出したら、なんだか母が可哀想で、眠れなくなりました。しまいには、新聞配達の音が聞こえてきて、よけいに眠れませんでした。

兄は、母に毎日、「お母ちゃん、僕が大人になったら、二階建ての家たてたるからな。」と言っていたそうです。「そやけど、あの子は、死んで、運転手からもらったお金で、あんたが育った家を建ててくれてんやで。」と泣いている母。お陰で私は車の通らない郊外で、レンゲを摘んで育つことが出来ました。

なんとか、母の心が癒されますように、祈るしかありません。

« ハナちゃんとロコタン | トップページ | エライことになってきてませんか? »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

悲しいですね。
子供を無くした思いは、簡単には癒されないでしょうね。

自分のせいにするのも分かるし、
その年上の子のせいにする気持ちも、分かるなあ。

自分だけのせいにしていたら、もしかしたら、
罪悪感で、うつになり、後追いをしていたかもしれない。

そうだ、未来世療法の本、読んでもらったらどうですか?

私、先日買って、今読んでますが、素晴らしい本ですね。

お母様が、なぜ今世で、そのような息子さんの事故と
遭遇しなければならなかったのか?
自分達の成長のために、その事故には意味があったのだと、
そしてまた、来世で必ず会えるのだと、思ってくれたら、
いいなあ~。

幼少時時になくなったお兄様がいらっしゃるんですね。
それは、お母様にとってはいつまでもトラウマとして残らざるを得ない出来事でしょうね。
少しでも楽になられますように。

ギャップのところで、母のことグチってしまいましたが、事情は違えど、トラウマになっていることありますね。
性格がガチガチなので、おそらく、トラウマさえも、ガッチリ抱え込んで放そうとしないと思います。
自分で決めたことは、(まわりから見て、少々変でも)ぜったい曲げないですから。

こもれびさん

どの子も健やかに成長して欲しいですね。

「お兄ちゃんは天使やってんで。そんな優しい子って、少ないで。」と慰めてあげるんですけどね。時々思い出したみたいに後悔している模様です。

未来世療法、貸してあげようかな。

nekotamaさん

自分ではどうすることも出来ない無力感を経験すると、他人をコントロールするようになるみたいですね~。

「お母ちゃんが救われますように。」と祈って寝たら、次の日、妹が、子守(中一と五歳)を母に頼んだようです。

とてもはりきっていました。

なんか、願いがすぐにかなって、私も嬉しかったです。

私は、お母様は偉いなと思います。
5才くらいかわいい盛りでのお別れです。
はっきりいって、私なら、相手の子供を殺しているでしょう。
相手の母親とも、差し違えてるでしょう。
情けも、世間体も関係なくその子もトラックの前に
押し出すでしょう。
でも、お母様は耐えぬかれた。
私は、高齢出産で今46才で、たぶんもう、子供を授かることは無理でしょう。
もし、たった一人のわが子を
奪われたら!もう、決して許すことはない。
だけど、お母様はがんばり抜かれた。
それは、あくび猫さんがいらっしゃったから。
すごくつらい日々をもう一人の育てるべき命があったから狂うことが防げた。
お母様の心中なかなか癒すことは難しいことですね。
でも、もし、話す機会があれば、お母様が、本当に
おつらい中、あくび猫さんを育てて下さって、
私達に、あくび猫さんと会わせて下さって、ありがとうございましたって、お伝え下さい。
本当に、がんばられたんだって思います。

子供を失った傷は決して癒えることがない、と、いう人がいて、そう思う気持ちは理解できるけれども、そう断定してしまっては、救いがないのではないかと考えたことがあります。

罪の意識も、その人がぎゅ~っと握っていて放さないもののように思えますが、放さないのには放さないだけの理由があるのでしょう。だから、聞くのも辛い話である場合もあるのだけれど、話を聞いてあげることですよね。話す前と後では、気が楽になっているのは間違いないですから。それを繰り返すうちに、自ら手放す気になれるのを見守るのでいいのではないでしょうか。

あくび猫さんのおかあさんの慰め方、素敵です。あくび猫さんも、もうひとりの”優しい子”なんだと拝読しました。

あつこさん

ありがとうございます。母も、気持をわかってもらえる人がたくさんいると知ったら、喜ぶと思います。

そうですよね~、可愛い盛りでした。本当によい子だったみたいです。私を愛おしそうに抱っこして写っている写真があります。死ぬちょっと前に撮ったそうです。

その15年後、父が浮気をしてしまったものだから、母の心は粉々のガラス細工みたいになったと思います。

思えば可哀想な人生です。

もっと優しくしてあげたいと思います。

アロマソフィアさん

本当に、聞くしか能がない私ですけど、聞いてあげたいと思います。

母も、このトラウマをいつか手放して、一緒にアセンションしてもらいたいです。って、「レムリアの真実」の読み過ぎかなあ・・・

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/53167/15576567

この記事へのトラックバック一覧です: 母のトラウマ:

« ハナちゃんとロコタン | トップページ | エライことになってきてませんか? »

他のアカウント